Excerpt for Love Letter from Sky by , available in its entirety at Smashwords

空からのラブレター


filare


この物語を、「彼女」に。 ―

Questo racconto per Lei

This story for you

空からのラブレター 目次


涙雨 1

流星 3

群青 3



涙雨

この空の上にいるあなたの大切な人が、あなたをいつまでも見守っていてくれるように。

この空の下であなたが、再び笑える日が、日常を取り戻す日が来るように。


私は、星空の輝きの中で、静かに目を閉じて祈った。


この思いは、祈りは、空の上まで届いているだろうか。

この願いは、祈りは、この空の下にある、その場所に届いているだろうか。





この繋がる空の下で、冷たい涙の雨に打たれる人を守る傘になりたい。

この繋がる空の下で、冷たい涙の海に溺れる人を救う浮き輪になりたい。


涙の雨が降り注ぐ、夏の終わりのある夜。

私は、あの日を、ふと思い出す。


「あの日」の前までは、そこに確かにあった「日常」。

それがどれだけ大切なものか、私たちは忘れがちだ。

あの日、何もかもを失くしたその街の映像が、全世界を巡った。

それを見てどれだけの人が、自分の周りにある日常に感謝を告げただろうか。


笑い声が聞こえる街の大通り。

鐘楼から聞こえる鐘の音が、その街を駆け巡る。

整備された街路に見える、商店の看板。

道端に植わっている木々。




私たちは普段、「生きている」ということを意識せずに、呼吸をして体を動かしている。

生きているということが、当たり前のことだと思ってしまう部分があるだろう。

夜が来て、朝が来て、また夜が来る。

この流れを「日常」というなら、それはいつから日常になったのだろう。

私たちが慣れてしまって、それに別段感謝もせずに、


流星



群青


あの日、何もかもを失ったその街の空は、ただ青く、透き通っていた。

それは見えない何かが、聞こえない何かが、砂ぼこりを浄化させたようだった。

その場所で流された見えない涙が、その場所で叫ばれた声なき声が、私には届いている。


永遠に色あせることのないあの日の空の青は、眩しくて、綺麗で、ただ悲しかった。


3


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(Pages 1-4 show above.)